メディア掲載

2023.04.01

岡山県エッセイストクラブ作品集 『2023 位置(いち) Position 第21号』

岡山県エッセイストクラブ(OEC)発行

  • 第五章
    「フリーな夫」(久本恵子)

 今は2022(令和4)年の秋である。暑かった夏も去り、このところ、私が住んでいる岡山県南西部の倉敷では、日中の予想最高気温は20度前後、朝晩は少し肌寒くなってきたが、日中は秋晴れのさわやかな天気が続いている。農家の方がご苦労されて育てられた田の稲穂が実り、黄金色に輝いている。美しい光景だ。稲刈りを終えられた田も時折みられる。

コロナ禍3年目、完全な収束は望めないまま、ウイズコロナ(コロナとの共生)の社会生活が続いている。最近の岡山県の新型コロナ新規感染者数は、減少傾向とはいえ、少しずつ増加に転じる兆候もみられる。引き続き、マスクの着用や手指の消毒、検温、そして、人との距離を保ち、会食するとしても短時間に少人数で、なるべく黙食を、という注意喚起は変わらない。そうした用心が特別なことではなく、本当に日常的な当たり前のこととなっている。

わが家の家族は、というと、これまでと同様に通常の用心を続けているだけだが、幸運なことに誰もコロナ感染はせず、4回目のワクチン接種も無事受けることができて、その副反応も特になく、日々何とか元気に過ごせている。ありがたいことである。

そんな状況の2022年。実は、今年、私の環境に大きな変化が起こった。わが家の夫の定年退職である。

(以下、略)

~「あとがき」より、一部引用始まり~

 草木萌えいずる候、私たちの作品集『位置』第二十一号が無事発刊の運びとなりました。
二十周年記念号から一年、新たなスタートです。
今号には現在の会員八十八人のうち五十六人から玉稿が寄せられました。

 今、世界の情勢は決して平穏とは言えません。それにもかかわらず、いえ、
それだからかもしれません、明るい作品にたくさん出会えたことが印象に残りました。
自然の中に、また日常の生活の中で見つけた小さな喜びを言葉にしたのです。
野山に咲く花々がそうであるように、私たちは色も形も香りまでも違う五十六本の花を咲かせて
第二十一号という大きな花束を作りました。その花束を皆さまに捧げます。
またひとつ履歴書を塗り替えました。さらに五年後、十年後を目指して共に書き続けましょう。
それが私たちの日常ではないでしょうか。

(以下、略)

~一部引用終わり~


岡山県エッセイストクラブ作品集
『2023 位置 Position 第21号』(A5判、187P、全十章(56編))

2023年4月1日発行
発行 和光出版(岡山市南区豊成)
印刷 昭和印刷株式会社
編集 岡山県エッセイストクラブ
定価 Ⅰ,320円(本体1,200円+税10%)

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